第30回 アメリカ不動産視察ツアー(前編) ~サブプライム後のアメリカ不動産事情~
福田 郁雄 株式会社福田財産コンサル 代表取締役
第30回 アメリカ不動産視察ツアー(前編)
~サブプライム後のアメリカ不動産事情~
日本の不動産も、実は世界経済や金融の動きの影響を大きく受けています。依頼者の所有している資産が日本の不動産だけでも、海外不動産・情勢についての研究が不動産コンサルタントにも必要と思っています。また最近では、資産家・投資家の海外投資についての興味が膨らんでいます。
勉強熱心な資産家の方に対応するためにも、不動産コンサルタント自ら行動する姿勢が必要と感じます。今回は、実際にアメリカの不動産を資産家と伴に視察して、その結果投資行動に移された事例を前編・後編に分けてご紹介します。
-依頼者の状況-
神奈川県の地主のBさん。私とは15年以上のお付き合いで、定期借地権事業、保証金でのアパート建築、都心の一棟マンション購入、区分所有マンション購入、法人設立など長年にわたりお付き合いをしていただいておりました。各々の事業も軌道に乗り、金融資産が増えていく中、次なる投資を模索していらっしゃいました。
そんな時にアメリカ不動産投資の話を耳にされ、実際に現地見学を行い、投資に踏み切られた事例をご紹介します。
依頼者は…
Bさん 55歳
資産内容
自宅の他収益不動産を多数所有し、不動産貸付業として安定した経営をされています。余裕資金の運用の一環として適当な海外不動産があれば投資を検討してみたいと考えていらっしゃいます。
実際の展開は…
1.アメリカ不動産視察ツアー開催
2010年末に、アメリカに40年以上住んでいる日本人の投資家であり不動産コンサルタントでもあるFさんが当社を訪ねてきました。私の著書を読み、当社の姿勢に共感したそうです。Fさんは、アメリカで35年以上、海外旅行者向けのお土産の小売や雑貨の輸出をしている老舗企業の社長です。本業の傍ら始めたロサンゼルスやラスベガスの不動産投資が成功し、不動産賃貸業を始め、現在では主業務の一つとなっています。Fさんが現在お薦めしているアメリカの不動産を紹介してくれました。Fさん自身の今までの投資の成功体験から感じた投資のチャンスを、ふるさと日本の皆さんへ紹介し役立ちたいと考えているそうです。
紹介してくれた話の内容は以下です。米国不動産バブルで一急騰した不動産価格が、サブプライム問題を機に暴落し、現在も徐々に下がりつつあるものの落ち着きを見せています。Fさんの紹介してくれた物件はラスベガスの一戸建てで、建築当時(2008年)25万$したものが現在10万$で買えます。米国の標準的な住宅価格は20万$なので、この価格は標準的価格より極端に安くなっています。よって、今後価格が戻す可能性が見込め、その時に売却益が狙えるというものです。
なぜ、こんなに安い価格で取得出来るかと話を聞くと、ショートセールスの物件(日本でいうと任意売却)だからということでした。アメリカのローンの特徴はノンリコースローンです。ローンを支払えなくなった人達が物件を手放し、銀行が不良債権処理のため、やむを得ず安い価格で売却しているのです。
ネックはローンが組めず現金で購入することと、銀行の承認に時間がかかる点です。取得時、保有時、売却時に必要な管理業務は信頼できる地元のエージェントに任せられるので、ほったらかしの資産運用が可能です。所有中は賃貸し、5~6年経ち価格が持ち直した時に売却すれば、インカムゲインとキャピタルゲインが狙える投資モデルです。
紹介された物件を私なりに分析してみると、投資適格物件であると判断しました。そこで、興味がありそうな当社のお客様に、ミニセミナーなどを開催して情報提供を始めました。
それから約1年後、資産家のお一人Bさんから、そろそろアメリカの不動産の購入を検討したいというご連絡がありました。私も自分の目で確認するために一緒にアメリカへ行き見学する事にしました。Bさんに、良かったら他の興味がある方にも声をかけても良いかとご提案したところ、快く承諾してくださりツアーを組んで行くことになりました。Bさんは、2年前に当社で企画したアジア不動産視察ツアーにご参加されていたので、ツアーのイメージを良く分かっていらっしゃいました。
そこで、当社とアメリカの不動産コンサルタントFさんでツアー日程を作成し、参加者の募集を開始しました。ツアーまで一ヵ月程度と日にちがなく、また日程は全て平日というスケジュールの中、Bさん含め5名の方のお申込みがあり、アメリカ不動産視察ツアーを開催しました。(表1 日程表)
2.なぜ今アメリカ不動産なのか?
投資はそもそも成長するエリアにするものです。今ならトレンドフォローの投資で東アジアの国々でしょうか。しかし、新興国への投資には抵抗がある方も多いようです。今回は、先進国であり成熟しているアメリカの不動産投資です。先述したように、必要以上に価格が下がっている物件を購入出来るため、日本人の好きな逆張り投資です。長期譲渡になる5~6年後に売却した時に価格が戻っている(上がっている)可能性があります。(表2 ケースシラー指数)
購入した物件を賃貸すれば、家賃が毎月約1000$(約8万円)入ってきます。物件価格が1000$程度(約800万円)なので、利回り12%が見込めます。
また、現在は円高と言われていますが、日本購買力平価を考えるともう少し円安が妥当だと言われています。仮に売却時に円安になっていれば、ドルから円に戻した時に為替差益も狙えます。
以上の①インカムゲイン②キャピタルゲイン③為替差益の3つの利益が狙える夢がある投資です。
比較的リスクが少なくリターンの大きい部類の投資が出来ると思い、お客様に紹介しました。
今後の日本でも政府が税金を上げる、年金額を減らすなど対策が打てなかった場合、アルゼンチン・ロシア・ギリシャなどの様に国の財政破綻などの可能性もあります。その様な時に備えて、ある程度の円を外貨へ換えておくことは保険になるのではないでしょうか。
海外投資を考える際、具体的にどうすべきか考えて実行するのは一般人にとっては難しい話です。投資信託の外貨建て、為替、外国の先進国・新興国の株・債券への投資など様々な海外投資がありますが、何が自分に取って良いのか分かりません。中には海外であっても現物の不動産なら安心という人もいます。万が一国の破綻などあった場合など預金封鎖の噂もあり、国内の金融機関を利用した海外投資では保険にはなりません。
今回は、アメリカの不動産ということで、契約関係や情報開示という点でもしっかりしており、かつ不動産という現物であることが分かりやすく、資産家の方にお薦めできた一因でした。もちろん、投資は自己責任であることはしっかりご理解されています。
3.米国の銀行口座開設
今回はお客様5名+当社2名の合計7名が日本から参加です。現地では不動産コンサルタントのFさんとFさんの会社の社員さんが案内をしてくれるので、合計9名での移動になります。ツアーの間(4日間)大型のレンタカーを借りて移動したので、自由な日程を組むことができました。
到着日一日目は、ロサンゼルス市内観光をしました。Fさんが空港まで迎えに来てくださいました。そのままロサンゼルスの市内観光です。世界最大のヨットハーバー・マリナデルレイ、サンタモニカ海岸を観光後、サンタモニカで昼食のメキシコ料理をいただきました。その後、ハリウッド、新しいショッピング場(グローブ)、そこに隣接のファーマーズマーケット(昔の市場)、オルベラ街(ロス発祥の地)、リトル東京を見学後、リトル東京内のホテルにチェックインしました。夜はツアー参加者の皆さんで懇親会をしました。
二日目午前は、銀行口座開設です。今回はご参加の皆様が銀行口座開設の意思があるということで、事前に銀行から口座開設に必要な書類を送ってもらい、記入した書類を予め銀行に送り返していたので、時間短縮が出来ました。
海外で非居住者が銀行口座開設を開設出来るところと出来ないところがあるのです。不動産コンサルタントFさんが、現地で投資をする際に便利な銀行をご紹介してくれました。またFさんのメインバンクであるということもあって特別待遇で口座開設の手続きをしていただけました。口座開設は投資の入り口です。お金は人間で言う血液にあたり、その循環システムが完成したということです。
最近良く耳にするのは、他の銀行やアメリカ以外の国において非居住者の銀行口座開設は年々難しくなってきているということです。たとえ口座開設ができるとしても本人確認の書類や認証、残高証明の英文での提出を求められるなど審査が厳しくなっているのです。ただ、一度口座を作れば、それを維持することは可能です。ここ数年は非居住者への投資商品のご紹介は行なっていないそうです。犯罪資金やマネーロンダリング等への対応が強化されているということです。
口座開設とともに、銀行員と公認会計士のミニセミナーも開催していただきました。
口座を開設した銀行の当座預金には、
①Easy checking(月間平均残1千$が必要)②55plus Checking(55歳以上の方が開設できる。残高制限なし)③Choice Interest checking (月間平均残2.5千ドル以上必要)から選べました。アメリカではチェックを使うのが一般的なので、当座預金が利用されています。最低口座開設に100$必要で、開設手数料はかかりません。
これとは別にSaving口座もあります。こちらは取引を前提にしていないので、その分利息が高くなりますが、月6回しか引き出せないなどの制限があります。
日本と違う点は、印鑑ではなく全てサインで本人確認します。一回登録したサインはずっと使用します。英語でも漢字でも大丈夫ですが、他の人が真似できなく、必ず覚えておけるサインをしてください。(事前にサインを考えて、練習をしておけば良かったという参加者の方もいらっしゃいました。)
その他、小切手の使い方、各種届け出の書類記入、ATM・デビットカードの説明、日本とアメリカの為替手数料事情について、残高証明依頼書、送金方法の説明、カードのアクティベイトの仕方、等々事細かに説明していただきました。
公認会計士からは、
・アメリカ・日本での税金申告について
アメリカは1月1日~12月31日のカレンダーイヤー一年分の申告を翌4月15日にします。日本は、翌3月15日までなので、日本の方にはその時期に間に合うように申告書を作成します。これは、現地の不動産コンサルタントを通して、レポートが送られてきます。
・控除の対象
物件見学や、仕事で利用した飛行機代、ホテル代、交際費も控除の対象になります。控除されるのは金額の50%までですが、金額に限度はないそうです。
・減価償却
アメリカも申告上の減価償却費が使えます。レジデンスは新築・中古にかかわらず27.5年ということになっているとのことでした。
・LLC(Limited Librity Company)
アメリカでは不動産を取得する場合、LLCを作るのが一般的です。これは、責任を有限にするためです。LLCの設立は日本よりはるかに簡単です。税金は法人ではなく個人が申請します。いわいる二重課税の回避です。
・カルフォルニア州、ネバダ州の州税について
州税は州によって違います。カルフォルニア州は9.3~9.6%、ラスベガスは州税に関しては0%だそうです。ラスベガスは観光収入があるからです。
公認会計士さんは、中国人ですが、日本にも住んでいたことがあり、日本語が堪能でした。アメリカの物件を購入した際には、アメリカ・日本ともに税金申告のサポートをしてくださるそうです。
(※銀行口座開設については、各金融機関により異なります。実際の開設の際は現地の金融機関の指示・説明に従ってください。)
4.ラスベガス任意売却物件見学
ロサンゼルスでの銀行口座開設後は、車でラスベガスまで向かいました。今回の一番の目的であるラスベガスの任意売却物件を見学するためです。車移動にすることによって、距離感やアメリカの様子の一部を感じていただく目的もありました。ロサンゼルスからラスベガスまでは、約500キロです。途中、観光もはさみ、半日かけての移動になりました。
三日目朝から物件見学です。まず、ラスベガスの不動産業者さんが案内してくれた任意売却物件を7物件見学しました。空室のものが多かったので室内まで見学できました。一件入居者付きの物件がありましたが、そちらも見学させてもらいました。現地の人がどのように使用して生活しているのかがイメージできました。(大勢の見学客に入居者は驚いていました)
このような任売物件は、サブプライム後の2007年から出てきて、その後ずっと価格が下がってきましたが、この4月(2012年)からは価格が上昇し始めた様子が地元の経済新聞で紹介されていました。ひょっとするとこの時点で価格が底を打ち、反転の兆しが表れてきたのかも知れません。現に不動産業者も強気になってきており、値下げ交渉に応じなくなってきているようです。見学中は中国人と思われる方の見学グループもいました。ここでもやはり、中国からの投資家が目立っているようです。
ラスベガスのホテルは一つ一つが大型で、3000~5000室あるホテルも多いです。その分、従業員も多く必要で、その人たちが居住する住宅としてのニーズがあります。
物件例は下記です。(表3 任意売却物件概要(例))
サブプライム後の暴落で今なら、日本の住宅展示場のような豪邸が799万円で購入できます。例としては、今なら土地98坪、建物43坪、築年6年の新築同様の一戸建てがたったの799万円で買えます。東京都世田谷区あたり建売住宅の場合、土地30坪、建物29坪で7,900万円でしょう。なんと1/10の価格です。
Annual tax(年間固定資産税)は、1,305$(10万円程度)です。Association fee(公益費)は、街づくりにかかる費用です。街はきちんと整備されており、共有で使用できるプールの管理などに使われます。1年間でも賃貸できれば、5年所有する間のそれらの費用を払うことができます。
また、アメリカの不動産は過去の履歴が全部分かります、透明性がとても高いです。Last sale priceで過去最高価格が約27万$(2005年当時約3270万円)ということが分かります。
5.モデルルーム見学
Fさんのお知り合いの不動産業者さんから良い物件が入ったとの連絡が入ったので、急遽予定を変更して見学することにしました。
立地は午前中に見学したエリアと近く、数年前から街づくりを行ない戸建900戸が販売し終わったそうです。今回は、販売用の戸建が売却し終わったので、モデルルームをまとめて業者に売却する予定ですが、その前にその物件売却の情報が入ったのです。(写真 モデルルーム外観(例))7件見学をすると、立地も良く、また家具も入っているので見栄えが抜群でした。モデル使用なので、壁紙・床材・カーペット・キッチン回りなどはランク上の仕様になっており、お得感がありグレードアップなしにそのまま使用できます。ベッドとテレビはイミテーションなので取り除かれますが、他の家具はそのまま賃貸に出すことが出来ます。
物件が良かったことと、価格もお買い得な物件であることから、Bさん、私も含め、今回ツアーに参加した4名でLLCを設立し4軒を購入することにしました。その他1名のツアー参加のお客様がお一人で1軒購入する事になりました。
(詳細は次号に掲載します。)
6.バルク物件
3日目は、金融機関が所有している戸建をバルクで販売している物件を見学しました。今回は12戸の戸建てがバルクで、約140万$で購入できます。(表4 バルク売り12戸物件概要(例))ピーク時の価格は約330万$だったので、その価格の40%程度で購入出来ることになります。また、ほぼ入居者付きなので、まとめて金融商品の感覚で購入できます。表面利回りで約12%、NOI利回りで約8.7%です。
この様に、金融商品として考える場合は数字で判断し、全ての物件を見学する必要はありません。完全なる投資商品と見て投資判断を行うだけです。
7.不動産コンサルタントが海外不動産を取り扱う意味
Bさんは今まで、ご自身でアパート建築を行ない、当社とコンサル契約を結んだ後は、定期借地権、保証金でアパート建築、都心の一棟マンション購入、区分所有マンション購入、法人設立と進んできました。これらを約20年程かけて行なってきました。地主→管理法人→投資法人へと、時代時代に合わせて見事に地主から経営者、投資家へステップアップしています。
資産家へご提案する不動産コンサルタントも、今後更に世界情勢・日本国内の状況が大きく変わり世界的な通貨不安が広がる中で、日本だけ見ていては駄目だと感じています。国内の不動産だから海外情勢は関係ないではなく、世界へ視野を広げて幅広い視野でコンサルの必要性を強く感じます。
資産家の方は皆さんとても勉強熱心です。今はインターネットで情報もすぐに得られるので、従来型の土地活用・投資の提案ではもう満足してくれません。そのような時、新しい発想をお伝えするだけでも、興味を持ってくださります。セミナーなどでコーヒーブレイクとして海外不動産の話、海外での投資法人設立の話をすると、皆さんとても興味を持って聞いてくださいます。この様な話題が求められていると実感します。
単なる物件見学や観光でなく本当に自分の目で納得するために視察しました。物件資料は日本でも見られますが、見ないと分からない情報が沢山あります。実際の相場観、街の雰囲気、建物、街並み、ボリューム感、ダウンタウンまでの距離、これらは現地で感じられることです。ハードな日程ではありましたが、視察という目的を果たせたと思います。
アメリカの様々な物件視察をして感じたことは、投資マインドを持っていれば日本も海外も同じであるということです。分析は左脳で行いますが、その前に右脳を働かせます。そして最後の判断も右脳で行います。不安があるのであれば、まずは小さくから始めてみるという行動力が大切だと思います。
時代が変化し、優良資産の定義が海外へも広がってきています。国内だけに資産を持つことがリスクになってきています。
まず資産全体の「財産診断」を接点の切り口として行なってみてはいかがでしょうか。国際化が進展する中で資産運用も全資産の1/3は外貨で運用するのが良いと思っています。少なくとも4,000万円程度を海外資産へシフトすることは考えておかれたら良いでしょう。国家破綻などの最悪の事態があった場合でも、4,000万円程度あれば数年はまともな生活ができます。
今回、私自身もLLCに参加し、物件を購入しましたが、コンサルタントにはこの様に自分でやってみるスタンス・姿勢も必要だと思います。海外の資産を持つことは、不動産資産家の方はまだあまり実行していません。目新しい話なので、皆さん興味があります。その話をする際に、自分の経験があれば臨場感・説得力のある説明が出来るのです。
依頼者の感想
以下に依頼者Bさんの感想を付け加えておきます。依頼者の視点が見えてきます。
アメリカ不動産視察をしようと思った動機
もともとアメリカは自分でもよく旅行に訪ねていました。その際に現地の不動産会社に問い合わせて不動産見学も行なっていました。今回は時期的にそろそろと思ったことと、現地を案内してくれるしっかりしたエージェントが見つかったとのことで、視察ツアーに参加しました。自分一人では、ここまで視察できません。福田さん、現地エージェントのFさんのお陰で、普通では買えない不動産に出会えたと思います。居住者でもない一般人には、なかなかこの様な良い話はもらえませんから。これからFさんには、物件管理やアメリカでの税金の申告のお手伝いもお願いします。これらを全てお任せできるのは助かりますね。
物件を購入した理由
良い物件があったら購入したいとは思っていましたが、まずは現地を見て決めようと思っていました。何がなんでも購入するというつもりではありませんでした。
今回は、LLCを作り4人共同で所有でき、リスク分散が出来る点が良いと思い購入しました。当初の投資予定金額より大きくなりましたが、良い機会に恵まれたと思います。