第36回 千葉県 設計士Aさん ~コンストラクション・マネジメントで高品質・低コストのアパートを実現~
福田 郁雄 株式会社福田財産コンサル 代表取締役
第36回 千葉県 設計士Aさん
~コンストラクション・マネジメントで高品質・低コストのアパートを実現~
設計士のAさんと私どもとは昔からの知り合いです。当社の考え方や提言も熟知されています。そろそろ、リタイヤ後の生活についても真剣に考えるようになり、引退後も今までの生活レベルを維持させるためにアパート経営を始めることにしました。
最近のアパート経営は簡単ではないことも理解しています。入居者に支持される高品質のアパートでありながら、かつ価格を抑えて投資効率を高めなくてはなりません。その矛盾する問題を解決した手法が、CM(コンストラクション・マネジメント)方式です。設計士のAさんが自らのアパートで採用したCM方式の手法を紹介します。
-依頼者の状況-
設計士のAさん55歳は、ご自分で設計事務所を千葉県で開業しています。個人の住宅から商業ビルまで幅広い分野をこなすマルチな才能を持っています。
いずれ仕事をリタイヤしなくてはならないことを自覚していますが、私どもが住宅新報で連載していた「第二の人生を豊かに」を読んで、感性に火がともりアパート投資をすることを決断しました。
設計士であり、かつ宅建の免許も持っているので、ご自分のこれまでに培った経歴を活かせる対策をしたいと考えていました。
実際の展開は…
1.年金対策で自分年金を創設することに
将来、年金が受け取れるか、受け取れたとしても満足いく金額をもらえるか不安に思われている方が多いようです。少子高齢化で現役世代が減少しているうえに、予定した運用利回りが実現できるのか等、年金問題は山積みです。
そんな時代だからこそ、自己責任で将来に備える事が重要だと考えます。つまり、自分で年金を準備するのです。その具体策の一つとして、「アパート経営」があります。
引退後に資産に働いてもらい、金銭的にも、時間的にも、気持ち的にも余裕を持った生活を送れるようにします。目標は65歳で無借金の収益不動産で、自分の満足できる収入分を得ることです。
土地や建物の値上がりを期待するのではなく、安定した家賃収入を継続的に得ることを目標にします。
政府債務も危機的な状況にあるにもかかわらず、景気対策ということで、副作用も心配される金融緩和が進んでいますが、インフレへの転換リスクも包含しています。もし、インフレに転換した場合には、貨幣価値が下がり年金の実質受取額が減少します。現物資産の場合であれば、家賃の上昇も期待でき、インフレの影響を緩和することができます。
そうは言っても世の中の皆さんも同じことを考え、人口は減るのに、アパートは増える一方で、負け組が顕在化しています。私設年金ですから、自分が生きている間は支給されなくてはなりません。(家賃が入らなくてはなりません)
現在55歳のAさんですと、やはり30年間は勝ち組になり続けられるアパートにしなくてはなりません。10年後、20年後にも評価されるものでなければ、競走に勝ち残れません。そのためには、高品質なアパートにしなくてはなりません。
一方、投資ですから、儲からなくてはなりません。投資コストを抑えることが利益に直結します。品質を落とさず価格を抑えるという二律背反することをなんとか解決したい。それがCM方式によって実現したのです。
2.CM方式の特徴

日本の建築業界は不透明な部分が多いと言われています。それは一括発注方式が主流になっているからです。ゼネコンやハウスメーカー等の元請がいて、その下に工務店等の下請けがいて、その下にそれぞれの専門業者が孫請けになります。
(図表1)一括請負方式とCM方式の違い
ゼネコン、ハウスメーカー、工務店にはそれぞれの役割がありますが、極論を言えば、現場で本当に仕事をしているのは、専門業者の人々だけです。元請、下請の仕事は段取りです。どちらかと言うと事務家さんです。
段取りさえ上手くいけば、施主と各専門業者が直接契約すれば、中間経費が掛からなくて済むことになります。
であるならば、設計士が設計だけでなく、各専門業者との間に入って現場の監理を行うことができれば成立する話です。
施主から見れば「分離発注」を行うということです。このことによって、ゼネコンやハウスメーカー等の元請の経費を省くことができます。下請の経費も省くことができます。元請・下請の経費は会社や現場によって異なるでしょうが、30%~40%になるのではないでしょうか?一方、CM方式独自のコストもかかります。設計士の設計料と監理料と保証保険料です。これらはおおよそ20%くらいになります。したがって、単純に比較しても10%~20%のコスト削減が可能になります。
そのコスト削減した経費を原資にして、差別化のための品質アップに使うことが出来ます。
このCM方式は設計士の負担が大きく、本当に力のある設計士でなければ成り立たないというのが欠点です。CMを完璧にこなせる設計士の割合は、おそらく設計士の中でも5%くらいしかいないと思います。
現場の事が分かっていて、詳細な収まりまで書け、現場の職人に的確な指示が出来なくてはなりません。大半の設計士はデザインが出来ても、現場の収まりやコストの事まで分かって図面を書いていません。
さらにコミュニケーション能力も必要です。依頼者との密度の濃い打ち合わせを重ね、現場での変更にも応えていかなければなりません。依頼者の気持ちが分かり潜在的ニーズまでもくみ取り、提案していく能力が必要です。密度の濃い打ち合わせを繰り返すので依頼者との相性が悪ければ最悪です。
ここで、CM方式のメリット・デメリットをまとめてみます。
□CM方式のメリット
①中間経費の削除
各専門業者との直接契約なので、ゼネコン・ハウスメーカー、工務店などの中間経費を省くことが出来る。浮いた経費でグレードアップできるので差別化が可能。
②一緒に作り上げる楽しみ
業者任せでは無く、一緒に作り上げていくという満足感がある。設計士や現場の各専門業者とコミュニケーションを取りながら、自分の作品を作っていくという満足感はお金に換えられない価値があります。
ゼネコン・ハウスメーカー等にお任せした場合、各専門業者さんにとっては、ゼネコン・ハウスメーカー・工務店等が依頼者となるので、オーナーさんの顔までは皆さん把握していません。オーナーさんが工事現場に見学に行ったが、誰も施主と分かってくれず、さみしい思いをすることは良くあります。
③価格の透明性が高い
一括請負の場合、見積書を見てもどこに何の経費が乗っかっているのか分かりません。ゼネコン・ハウスメーカーの経費、工務店の経費、もしくは企画者や紹介者の経費、値引き予算、などなど不透明な価格を隠すことができます。CM方式であれば、直接契約なので不透明な部分がありません。これらの疑問(疑惑?)を気にせず、公明正大にお願いすることが出来ます。お任せが好きな日本人は一々内訳までこだわる人は少ないですが、欧米では透明性を大切にするという考えは最も大切な社会通念です。
④施主手配が可能
この工事は知人がいるので、知人にお願いしたくても、一括請負ではシステムに乗らないので拒否されます。CM方式ではそもそも分離発注なので、このことは自由に出来ます。知人の顔を立てることができるのです。
また、建材など自分でヨーロッパ旅行に行った時に気に入ったものを買付、持ち込むのも自由です。材工(材料費と手間)を分離できるのはCM方式の強みです。
施主が企画を変更したい場合には、費用はかかりますが対応可能です。建築段階から資材選び、建築中も自分の意見が反映させられる点がメリットといえるでしょう。
□CM方式のデメリットは、
①手間がかかる
各工事はおよそ約20工程に分かれており、それを全て別の業者に依頼するので、オーナーさんは約20業者と契約を結ぶことになります。また、価格を査定するためにそれぞれ2~3社に見積もりを取った場合、20工程×2~3社=40~60社の業者とやり取りすることになり、煩雑になります。
価格が抑えられるという点のみに魅力を感じて、CM方式を選択すると上記の様に手間暇がかかる点にめげてしまいます。
価格が抑えられるというより、良い仕様の物がお手頃の価格で建築出来る点が魅力です。
②各専門業者との価格交渉力が弱い
ゼネコン・ハウスメーカーや工務店の場合は今後も継続的な取引が出来ることを前提に、時にはとんでもない価格を提示することがありますが、CM方式の場合は施主とおそらく一回限りの取引だと思われるので、価格交渉がやりにくいです。継続発注できないので、2社以上の合い見積もりをかけます。
もっとも、末端の各専門業者の方々に強欲な方は少なく皆さん職人気質な真面目な方が多いので、それ程気にする必要はありません。
③ブランドやステータスはない
大手○○会社で建てることに対するステータスを求める方には不向きです。
CM方式は品質、納得感、プロセスにこだわる方向けの手法です。
④各専門業者間の隙間の工事がある
仮設設置費用、荷揚げ費用、残資材処理費用など、どこが負担するのかがはっきりしない費用が出てきます。これらは、設計図だけを見ていても見えてこない費用です。そこで、予備費として5%を見積もります。これでほとんどの想定外の費用は賄え、使わなければオーナーに返金します。
⑤銀行が慣れていない
ローンを組む場合、銀行側は分離発注方式に慣れていないため、スムーズにいかないこともあります。「見積もり」と「受発注書」を一覧にして銀行へ提出し、かかる費用と担保を明確にします。設計料も融資対象になります。
きちんとすれば、分割実行もしてくれます。もし、相手にしてくれなければ銀行を換えれば良いでしょう。
⑥保証やアフターサービスが心配?
一括請負だと、元請に言えば保証やアフターサービスをしてくれます。窓口が一本で明確であるといえます。(もっとも担当者が異動・退職などで連絡が取れなくなることは良くあります)
CM方式では保証保険に加入してもらい対応しています。それなので、保証がないということではありません。
アフターサービスはそれぞれの工事の専門業者が直接担当することになります。水道、ガス、電気などのインフラに直接影響する業者がキーになります。これらの業者を慎重に選定しておくのも対策の一つです。あと重要なのは、屋根屋、版金屋です。雨漏りの時は急を要すからです。
3.二棟目のアパートはCM方式で
私設年金のために、すでにアパートを建てていたAさんは、二棟目はコストダウンと差別化のためにCM方式で建てました。
まずは土地の選定です。CM方式では現場に行く機会が多いので、まずは埼玉の自宅に近い所を探しました。Aさんが休みの水曜日に現場へ気軽に顔が出せるからです。
その他の条件として
① 駅から7分以内
② 土地価格は3,000万円前後
③ 1Kが6~9戸入るような土地
④ 土地・建物総額の利回りが表面8%を超えること
しばらくして、自宅の隣の駅から5分の所に適地が見つかりました。
南西角地で上手く配置すれば、1Kが9戸入りそうです。この土地は現金で買いました。建築費は全額地元の金融機関で融資してもらうことにしました。
建物の概要は(図面1)の配置図、平面図、パースの通りです。
まずは一括請負での見積りを、日頃親しくしている工務店にお願いしました。一括請負方式とCM方式でそれほど金額に大差がつかなければ、面倒なCM方式で建てるよりも、本業に徹した方が良いと思ったからです。
その結果は下記の通りです。(図表2)建築費内訳表

□概要
土地面積 126.80㎡(38.36坪)
延べ床面積 254.20㎡(76.89坪) 容積率167.2%
1K 23.8㎡6戸 20.3㎡3戸 計9戸 2×4三階建て
平均家賃 6.5万円 年収702万円
建築費A 一括請負 5,830万円 表面利回り12.0%
建築費B CM方式 4,099万円 表面利回り17.1%
建築費C CM方式(設計監理費込み)4,918万円 表面利回り14.3%
ちなみに坪単価で比較すすると
建築費A 一括請負 坪75.8万円
建築費B CM方式 坪53.3万円
建築費C CM方式(設計監理費込み)坪64.0万円
解体費、付帯工事、外構工事、水道局納付金、込みでこの価格はハウスメーカー等と比較すると割安感を感じます。
どうしても自分で建具や設備や外壁などを選んで行くと良いものを選び高くなりがちですが、良いものを選んでいっても一括請負よりは安くできます。
建築してから3年目になりましたが、現在満室です。駅近であることと、建物の差別化が出来ているからです。いずれローンは繰り上げ返済し、10年で完済することを目標にしています。
専門業者の数は23社になりました。23社と受発注書を交わすことになります。工事の進捗に合わせ、スケジュールを調整します。ほとんどの工事は前後逆にすることが出来ないので、工程管理は慎重に行う必要があります。
まずは設計図から受発注表を作成し、数字を確定させます。設計図で管理しているので、この時点で図面が完璧である必要あります。現場を分かった上での、ディティールまでほぼ完全な設計図を描く必要があります。そこから全部の見積もりを出し、全業者と施主と契約します。工事費の総額が分からないまま見切り発車で工事を行ってしまうと、後で揉めることになります。そのような意味でも、詳細設計が完璧である必要があるのです。
4.銀行ローンと支払い計画
CM方式そのものは単に分離発注の徹底ということなので、目新しいものではありません。ところが、一般的に普及していないため、銀行のローンの承諾に手間暇がかかりました。銀行からすれば、確実な支払いと担保が確実に出来れば良いはずです。ところが前例がないので、ということで断られる場合があります。ちゃんと理解してもらえれば、銀行にとってもリスクが増えるわけでなく、むしろ優良なアパート経営が行えるので安心なはずです。
そこでAさんは、「見積もり」と「受発注書」を一覧にして銀行へ提出し、かかる費用と支払い先と支払い時期を明確に示すことによって、融資を引き出すことができました。
CM方式は基本的には出来高払いです。完成時に支払う事でOKです。したがって、工事の途中で建築会社が倒産して途方に暮れるというようなことはありません。今の時代、このことが最もCM方式のメリットかも知れません。
住宅設備など金額の大きい工事を取り扱う場合には、前金が必要です。中間時に1/3払い、残金で2/3を支払います。支払が中間金、残金と2回に分かれるので、その点をきちんと説明して銀行に協力してもらいます。
各専門会社への支払いは、銀行の担当員が記入してくれました。契約は23社に対してあったのですが、それらすべてを記入してくれました。手間はかかるものの、融資した資金が別の用途に使われないようにするための保全の立場から行ってくれたのでしょう。銀行にはやや負担となりましたが、CM方式を理解され、協力いただけたことに感謝しています。
銀行の交渉は、すべてAさんが行ないました。以前、ゼネコンで一時期有効活用の営業の経験もあったので、経験が活かされました。
5.4棟目もCM方式で建設
Aさんはアパート経営が順調なので、三棟目のアパートを建てました。これは規模も小さいし、仕事が忙しかったので、一括請負にしました。そして、今年新たに4棟目のアパートをCM方式で建築しました。ただ、厳密なCM方式は手間暇がかかるので、一括請負の要素を一部取り入れた準CM方式にしました。
それは、現場管理者を一人雇って、現場管理のみ外注にしたのです。建築費の5%をお支払して、現場管理をお願いしました。もちろん設計監理は行います。あまりにも現場に張り付いていると、時間が取られすぎ本業に影響が出るからです。実感としては、この方式が最も良いのかなあと話していました。
4棟目の概要は次の通りです。(図面2)の配置図、平面図、パース
□概要
土地面積 165.38㎡(50.02坪)土地価格2,250万円(坪45万円)
延べ床面積 196.12㎡(59.32坪) 容積率98.8% 2×4二階建て
1LDK 36.8㎡2戸 36.2㎡2戸 1ルーム 16.8㎡1戸 計5戸
平均家賃 7.5万円 年収450万円
建築費 CM方式(設計監理費込み)3,500万円(坪60万円)
表面利回り12.8%
土地価格を含めた表面利回り 7.8%
土地価格が安いのは、敷地延長の土地だったからです。それでも間口が4mあったので共同住宅を建てることができました。字型が悪い、北向きである。傾斜地である。借地である。というような点は土地だけで見るとマイナスですが、家賃はそれほど下がりません。なので、むしろ駅から近いハンデキャップのある土地のほうがねらい目であると言えます。
最初の予定では、1Rで7世帯を計画していましたが、1LDKもボリューム設計し比較しました。すると、利回りはどちらも約8%で変わりませんでした。
ただ、建築費は1Rの方が高くなりますが、家賃査定も高くなりました。周辺の状況を調べると、1Rが多く建築されているので、競争の少ない1LDKを建築することにしました。1Rでは競争激化のため将来の家賃の値下がりを心配したからです。
依頼者の感想
以下にAさんがCM方式を採用して気付いた点を列挙していただきました。現場を経験した生の声です。
・コストの魅力だけで採用しないこと
まずはコスト面で魅力を感じていらっしゃるお客様が多いと思います。もちろんコストのアドバンテージはありますが、安さだけを求めている方には手間がかかり過ぎると思います。ご自分の作りたいものがある方には、良いものがおてごろ価格で建築出来ますが、そこを楽しむ人に向いていますね。こだわりがあればあるほどやはりその分価格に反映されます。設計事務所を訪ねてくれる方は建築にこだわりのある方が多いので、CM方式は向いていると思います。
・アパートにも有効
CM方式は、本来個人住宅でこだわりのある方向けの手法ですが、差別化が必要になったアパートにも有効だと考えます。
アパート建築は多いですが、何も考えずにやるのと、少しでも考えてやるのでは雲泥の差になります。分離発注によって、建築費が抑えられているので無理な家賃設定をしなくても良いので安定経営が期待できます。また、仕様によって差別化もできるので入居率を高める事ができます。
・職人との一体感が生まれる
20社程の業者と契約をするので、契約式を行なって、顔合わせも兼ねて業者に一斉に集まってもらう事もあります。建築中には、施主さんも一ヵ月に2~3回は顔を出されます。業者さんに差し入れを持って来たり、施主さん自ら一緒に掃除したり、自分も参加しているという感覚が強くなるようです。
完成後には、竣工式をやって、お世話になった20業者を集めてありがとう会を開催した方もいます。施主も仲間というか、参画意識が芽生えて、感動が大きいようです。一緒に造り上げた達成感、満足感ですかね。
・手間暇がかかるのが難点
完璧に近い図面作成から見積もり、オーナーさんとの打ち合わせの時間など、大変な労力と時間がかかるので、うちのような事務所だと年間担当できるのは多くて3棟~4棟だと思います。
・工期は一ヵ月余裕をみる
CM方式だからといって、工期が余分にかかることはありません。むしろ、スケジュールをきちんと監理すれば、一括請負より短縮も可能です。ただし、施主の細かい要望を聞きながら、途中の使用変更があると、工期が延びることがあります。
施主に参加してもらう分ゆっくり目のスケジュールにします。通常より一ヵ月長めに考えています。
・良い業者を探すのが大変
きちんとやってくれる優れた工事屋さんを探すのが大変でした。もともと設計監理をやっていたので、今までお世話になった業者さんにも多く声をかけ、ご協力してもらいました。
やはり、仕事は人が集まって行うものです。良い人との出会いが成否を大きく左右しますね。
・CM方式の理解者になってもらう
施主、設計事務所、各業者、銀行員の共通認識が無いと出来ないというのが実感です。
各専門業者も施主と直接契約するなんて、初めてなので驚いてしまいます。銀行員にも詳しく説明しないと判ってくれないです。一番大切なのは施主の理解です。良いものを一緒に作り上げるという意識が必要です。私自身もCM方式の時には気合いが入ります。
設計事務所の社員にとっても現場知識がついて、実力がつきますね。福田さんも言っていたように、CM方式ができる設計士はそんなに多くないと思います。基本設計から現場管理やコスト管理までできないといけませんから。その分、担当する設計士の実力になるとも実感しています。
・メンテナンスも考えて設計
分かる人が設計すればメンテナンスのことまで考えて設計できるので、その後にかかる維持費・修繕費用が全然違います。外壁・屋根も20年耐用のものにしたので、20年メンテナンスいりません。そういう事も相談に乗れますので、依頼者にとっても良いと思います。
・CM方式の設計監理料は15~20%
設計監理料として、設計事務所は15~20%程度をいただいています。最初はお施主さんも少し高いと感じられる方もいるようです。が実際に始めて、完成後には、手間暇がかかっているのを充分に知って、ご満足いただけています。
・Aさんの感想
なるべくローンを早く返済して、悠々自適な生活を送りたいですね。趣味がダイビングなので、引退後も思う存分楽しみたいです。年金だけの生活で趣味のダイビングを我慢するなんて嫌ですからね。