福田 郁雄 株式会社福田財産コンサル 代表取締役
第15回 神奈川県川崎市 Tさん
~遊休地の最有効使用を企画コンペで決定~
Tさんは現在60歳、すでに38歳の時に地域一番の大型ビルを建築し、その後、ビルテナントの運営とサービス業の運営を行なう、資産経営者です。
大変、勉強熱心で、税金、相続、資産運用など数々のセミナーや勉強会に参加。資産経営者として、情報収集に勤しんでいました。
数々のコンサルタントの話しを聞き比べながら、方針に合いそうだとの理由で当社に資産経営のコンサルを依頼されました。
所有する資産の分析、問題点、今後の対応策を一緒に考えていき、決定案を実施に移してきた過程を報告します。
-依頼者の状況-
依頼者は…
Tさん 60歳 資産管理会社とサービス業の会社を経営
家族構成 母、配偶者、長女、長女の配偶者
資産内容は…
一棟店舗・住居混合大型テナントビル
区画整理地 250坪
自宅、アパート
依頼者の要望は…
①自分なりに資産経営を行なってきたが、今一度ここで、資産経営の診断と助言をお願いしたい。
②近々区画整理地が換地されて戻ってくる。どんな活用法が最も良いか?
③事業承継のことも考え、法人の有効活用も検討したい。
実際の展開は…
1. 顧問契約を締結後、資産診断を行い、方向性を決定
資産規模も大きく、Tさんが自ら資産経営を行なっている実績があったので、いきなり提案を差し上げるのではなく、顧問契約を結んで、じっくり進めていくことにしました。
まずコンサルタントが資産内容を数値で客観的に把握することから始めます。
固定資産評価証明や決算書など資産の内容が判る資料をお預かりし、資産毎に相続税評価と市場価格を査定し、資産価値を把握します。
そして、それぞれの資産がどのくらいの収益性なのか把握します。この作業を進めていくと、どの資産が効率よく働いているかが明白になってきます。
コンサルにおいては客観的な数値の把握だけではなく、依頼者のウォンツを掴むことも大切です。会合を重ね、相互理解を深めることによって、潜在的ウォンツを捉え、最終提案に繋げるようにします。
圧倒的な売上を誇るのが、大型ビルでした、バブル時期後半の建築ということもあって、経営効率は売上に見合うほどではありません。この時期に建てた多くの資産家は持ちこたえ切れなくなって、手放しているケースが多いのは周知の事実です。
Tさんは、適切なテナント管理とビル管理によって、賃料下落などの逆風の中でも確かな運営を行なっていました。また、ローンの見直しを行い、キャッシュフローの改善をされていました。色々なセミナーに参加し、勉強してその都度適切な対応をされていたことが伺えます。
資産規模に対して、キャッシュフローが少ないこともあり、収益を上げていく必要があります。借金の総額も大きいので、あまり借金は増やしたくありません。借金や資産規模をあまり増やすことなく、収益を上げていくことが望ましいことが判りました。
コンサル中に区画整理地内にある土地の使用収益日が確定しました。川崎市内の急行停車駅から徒歩3分の好立地にある250坪の土地です。この土地を最有効使用することによって、収益を増やし、総資産利益率(ROA)を高めることができます。
大多数の地主さんは、建築会社や銀行の提案をそのまま受け入れ、土地目一杯に賃貸マンションなどを建てていますが、収益性を考えていないために無駄な投資をしていることが多いように思えます。Tさんは懸命です。色々な可能性を想定し、できるだけ少ない予算で、最も多くの収益を生む活用方法を模索することにこだわりました。私も大賛成です。
大多数の地主さんは、億単位の価値がある土地の活用を、数ある選択肢の中から選ぶことなく、いとも簡単に決めてしまいます。そこには経営感覚が乏しく、勿体無いなあと思うことしばしばです。Tさんの経営感覚に拍手喝采です。
2. 企画コンペを実施
土地を活用する上でのTさんの要望をお伺いすると、
①区画整理の使用収益開始に伴う、固都税負担増へ対応したい
②土地活用による収入増(機会損失を無くす)
③法人へ所得移転をしたい
④将来、子へスムーズに事業承継したい
⑤心配のない安定した土地活用をしたい
⑥できるなら地域への貢献をしたい
⑦デザインにもこだわりたい
が上がりました。
選択のポイントは
①ROA(総資産利益率)を高める(物件単体ROAが高い)
②キャッシュフローが高い
③リスク対応が出来る
④地域貢献となる
の4つでした。
そこで当社がTさんの条件・要望事項をまとめ、各建設会社やテナント斡旋会社など企画を立てていただける会社に企画提案をお願いし、コンペを行いました。Tさんの必ず満たして頂きたい希望事項は、
(ア)税引き前手取り金額で月額50万円以上の収支になること
(イ)収入の継続性が担保されていること
(ウ)自己資金は限りなく低くおさえること
出来れば満たしていただきたい希望として、
(ア)借入金は極力少ないこと
(イ)法人名義にすること
(ウ)換金性が高いことと示しました。
提案書に記載してもらう事項は
(ア)土地有効活用の図面
(イ)概算見積書
(ウ)収支計画書(書式は問いません)としました。
最終的にエントリーしたのは
①5階建マンション
②3階建アパート
③2階建保育園
④時間貸駐車場
⑤3階建トランクルーム
⑥1階建店舗
⑦複数の戸建貸家
の7企画でした。
3. 各土地活用の特徴
各土地活用の特徴を見ていきましょう。
①5階建マンション
建蔽率 60%、容積率200%という敷地のボリュームを出来るだけ消化する企画です。建築コストかさみ資金回収までの時間がかかることから、10年、20年、 30年先も入居者に支持される間取りでなくてはなりません。従って、ワンルームでも一部屋当たり30㎡の大型の部屋とします。地盤によっては基礎補強にコ
ストがかかることがあります。入居者に人気があるので、賃料が抑えられれば入居者が見込めるでしょう。費用対効果がポイントです。
②3階建アパート
コストを抑えることができる木造三階建て共同住宅の確認申請(構造は軽量鉄骨もあります)で計画します。ローコストなため、投下資本の回収が早く出来ま す。部屋面積を25㎡以下とし家賃を抑え、現在の入居者の価格志向に応えるプランです。エレベーターのないことから管理費用も安く、ネットの利益が確保し
やすくなっています。時代によって間取りのニーズが変わることもあるので、短期回収の計画が基本となります。容積は余すことになりますが、収益性を重視し た計画です。
③2階建保育園
昨今の待機児童問題に対応する土地活用です。地方自治体の助成金が期待出来るうえ、園児の募集は地方自治体 がやってくれるので経営も安定します。運動場や滑り台などの決められた設備が求められ、広い敷地が必要とされます。投下資本が少なく、社会貢献が出来るの
でオーナーは大変興味を示しました。ただし、送迎車の駐車違反や児童の騒音問題などが心配でした。また政策が変わり、待機児童問題が解消され補助金が削減 された時のリスクも心配でした。土地が高度利用出来ないこともあり、収益の絶対額に満足できませんでした。
④時間貸駐車場
駅に近いので、時間貸駐車場も検討しました。今回の企画では設備は管理会社が設置してくれるので初期投資が不用です。残念ながら期待する収益とはほど遠いものでした。暫定利用として考えるのなら、一つの選択肢となるでしょう。
⑤3階建トランクルーム
最近注目されている土地活用の一つです。従来はコンテナを仕切って利用するかもしくは、老朽ビルの一室や倉庫を区切る形で供給が進んでいました。最近は一から新築で建てる、トランクルーム専用仕様とする建物が登場しています。
セキュリティが完備され、エアコンにより湿度調整が万全です。預けるユーザーは安心して預ける事ができます。仕様はまるでオフィスの様な綺麗な仕上がりで す。基本的に構造体+間仕切りだけなので、設備費用はかからず、建築費が抑えられる点に特徴があります。一坪あたりの賃料は住宅と大差ないため、利回りが 高くなります。
10年一括借り上げ、水道光熱費やセキュリティの費用なども管理会社が負担してくれることもあります。オーナーのコストは固定資産税と火災保険料だけです。まだ事例が少ないので、実際に満室になるか不安が残る面もあります。
新築の場合、4ヵ月~6ヵ月の募集期間をフリーレントにするなどの条件をつければ一括借り上げも出来るので、収入の点は安心できました。
⑥1階建店舗
平屋の店舗は容積率を余すものの、建築コストが少なく、坪あたり賃料も高いことが多いので、手取り金額が予想以上に高いことがあります。今回はコンビニが 手を挙げてくれたので、坪賃料は満足のいく提示がありました。万が一売上不振等で将来テナントが退出した時に、次のテナントが見つかるかどうかが問題で
す。その対策として、保証金や敷金を多めに入れておきます。可能であれば建築費満額を入れて頂くのが好ましいです。途中解約となったとしても保証金・敷金 でリスクは軽減されます。ただしそのペナルティに対し、一時所得としての税金がかかってくるので、その税金を支払うためのキャッシュを用意しておく必要が あります。
⑦複数の戸建貸家
需要が多いのに、供給が少ないのが戸建貸家です。建築費も下がっているので採算も良くなっています。現場見 学会があったのでTさんと一緒に見学に行ってきました。バス便立地にもかかわらず、高い家賃が確保できます。建築費に対する利回りは15%になります。宅
地の分割をするので、将来、部分的に売却することも、相続人毎に分けて相続することもできます。流動性が高いことが最大のメリットです。対象地が3方向道 路だったので、羊羹切りにすれば建てられると考えていました。ところが、1方向の道路の換地が遅れるということが後からわかり、やむなく候補の対象から外
れてしまいました。今は競争も少なく、利回りが高いのですが、将来競争が激しくなった時の利回りが不明点です。
※ 立地によって、各種指標は異なります。
4. 収益性分析で最有効使用を決定
提案書は各社基準が統一されておらず、それぞれ自社の都合の良い基準を採用し、アピールします。それぞれの強みはよく分かりますが、同じ基準からの比較がしづらく判断できません。そこで全ての企画を定量的・定性的に比較します。
まず全ての企画が出尽くした所で定量的に対比分析(表1)をしました。(本表は要約版です。)その中から重要な指標を5つ取り上げ、比較しました。(図1)
一つ目は「単体ネット利回り」です。年間の収支(収入―経費)を総投資額(建築費+諸費用)で割った割合です。表面利回りでなく、ネットの利益と投資総額で割ることがポイントです。
二つ目に「物件単体ROA」を比較しました。これは土地価格を含めた総投資額での利回りで、先程の「ネット利回り」よりもさらに重要です。土地を持っているから土地代はタダということではなくて、土地も資産の一部なので利回りの計算に入れるのは当然です。
三つ目に「月間キャッシュフロー」です。これはローンの返済を除いた税引き前のキャッシュフローです最も一般的な判断材料とされます。資産家はこの額を大切にします。大ざっぱに言えば手取り月給の様なものです。この数値が大きいものを選びます。
四つ目が「借入金比率」です。土地の価格を自己資金と見立て(現物出資と見立て)、建物を全額ローンで建築した場合の比率(建物価格÷土地価格+建物価格)で表しました。これは50%を切るのが望ましいでしょう。
五つ目は「耐用年数」です。表1では法定耐用年数を使用しましたが、実際に見込まれる耐用年数で判断するのが良いでしょう。
表1を見てください、「単体ネット利回り」の一番は⑥1階建店舗でした。「物件単体ROA」と「月間キャッシュフロー」の一番は⑤3階建トランクルーム、 「借入金比率」の一番は④時間貸駐車場、「法定耐用年数」の一番は①5階建マンションという結果が出ました。それを図にしたのが図1の「対比分析レーダー
チャート」です。活用によって、強み・弱みが定量的に一目で把握することができます。それぞれ一長一短あるのがこの図で分かります。
次に定性的に評価したのが表2「強み・弱み分析」です。先程の5つの定量分析とこの定性分析の優良なものが最有効使用となります。
実際の選定は、どの項目を優先するかによって決まります。Tさんは「物件単体ROA」と「キャッシュフロー」を優先したので、「物件単体ROA」と「キャッシュフロー」を図解比較しました。(図2)
その結果、②、③、⑥の候補が残りました。この分析を行う前はこの地域は待機児童が多く、③2階建保育 園が社会貢献出来るため第一候補でしたが、Tさんの選択のポイントを整理し優先順位を付けた所、候補から外れました。また、Tさんへ聞き取りし、「地域貢 献はしたいが、リスクが大きいものはしたくない」と言う事で、「地域貢献」と「リスク」をポジショニングで表しました。(図3)
近隣に駐車場が少ないの で、④時間貸駐車場はリスクが小さいと考えられましたが、キャッシュフローが極端に低いので候補からはずれました。
最終的には「物件単体 ROA」と「キャッシュフロー」の数値が良い、3つの企画を複合して実行することになりました。敷地を半分に分け、南側には②+⑥の店舗付き三階建マン ションを建築し、北側には⑤三階建トランクルームを建築することとしました。この3つは強み・弱みが異なっているので、それぞれが補い合ううまいコンビ
ネーションの企画となりました。その敷地内だけでもリスク分散とポートフォリオができました。
一般的に敷地目一杯に、容積率を最大限にして活用を検討する場合が多いのですが、今回は容積率を余らせました。容積を最大に使っても、収益性は上がらないとシミュレーションで分かったからです。
5. 法人での活用も
今回挙げた事例は、あくまでも本件の土地における最有効使用です。立地によってこの数値は変わるので、どの活用方法が一番良いと言っている訳ではありません。
良くある話なのですが、容積率を一杯に使おうとしてペンシルビルを建築することがありますが、建築費が高くなり収益率・収益額がともに下がることがありま す。むしろ賃料が高く安定してテナントが入るのは1階~3階までなので、3階建にするのも手です。容積神話にとらわれることなく、まずはシミュレーション しましょう。
今回はたまたま活用という事になりましが、急行停車駅から3分という好立地だったからです。このように条件が良いケースは1~2割程度でしょう。むしろ立地の好ましくない土地の方が多く、その土地に有効活用するのが最善ではない場合は、組み換えも視野に入れるべきです。
立地がそれ程よくない条件の土地で同じ様に企画コンペをしたところ、最有効使用は土地を売却してその売却資金を頭金に都心の収益不動産を購入、または都心の土地を購入して建物を建てるというものでした。
そもそも土地活用は土地の立地ありきです。どんな素晴らしい企画を立てても立地が悪ければ上手くいきません。今までは住居系がスタンダードでしたが、収益 性や少子化のリスクを考えると非住居系(商業施設・オフィス・倉庫)などでも検討してシミュレーションすると良いでしょう。
また、オーナー ニー ズの中に「法人で取得したい」というものがありました。所得税対策と相続税対策と事業承継対策を考えた結果の判断です。そこで、今までも資産管理会社を 持っていましたが、保有会社へと移行していくことにしました。個人の所得を法人へ移転することにより、所得税の節税が図れます。また、相続財産が法人に
移っていくので、個人の相続財産を減らすことになるので相続税の節税に繋がります。
資産保有会社の株の評価が低いうちに、株を相続人に贈与しておくことによって万全な相続対策が実現できます。
6.建築結果
3階建てトランクルームは、一括借上げなので収入の心配はありません。電気代などの経費も管理会社持ちなので、維持管理も楽です。トランクルームは部屋数 が多く、満室になるまでに時間がかかります。そのために六ヶ月期間のフリーレント期間があります。毎月、確実に埋まっていきます。一度借りると長期に借り てくれます。幸い、賃貸契約も順調に進んでいます。
配置はマンションの北側にしてあります。トランクルームなので、採光や通風の配慮が不要だからです。
一階の半分は店舗です。店舗は歯科医に決まりました。建築前はコンビニか保育所に貸せればと考えていましたが、条件が微妙に合わず断念しました。テナント が完成前に決まったので、テナントのニーズも一部取り入れることもできました。また、それがコストダウンにも繋がりました。
経験上、テナントが 後 から見苦しい看板をつける傾向があるので、予め看板スペースを大きめに設け、入居後のデザインにも気を配りました。テナントとの間で揉める問題は退去時の 保証金の返還と原状回復です。中途解約の特約、保証金の返還時期、原状回復の現状の定義などを明確にするなどして、オーナーを保護することに努めました。
賃貸マンションの部分は一階の一部屋を除き建築中に入居が決まりました。1Kで8万円を超える家賃設定なのに、すぐに決まってしまったのは驚きです。
人 気の理由は、立地と建物の品質です。建物の品質を確保したのは、設計士の力によるものです。とりわけ外観にはこだわりました。正面にエントランスを、そし てその奥にギャラリーを設けました。賃貸マンションに良くある、取って付けたような階段室をつけるのではなく、正面エントランスの奥の外から見えない位置 に階段室が設置されています。
外壁は単調なタイルを止め、あえてサイディングにしました。彫りが深く陰影がはっきりして重厚間を感じます。鉄骨造にサイディングで耐火構造の認定を取りました。サイディングの大手メーカーでも始めての試みだったそうです。
床はフローリング(最近多いフローリング調のCFではありません)、大型の玄関収納、本格的システムキッチン、洗髪シャワー付き洗面化粧台、浴室乾燥機付 き、追い炊き付きユニツトバス、大型バルコニー、オートロック、防犯カメラ、宅配ボックス、ケーブルTV、マルチコンセント、ペアガラス、防犯シャッター などフル装備です。
そのわりには建築費が安く抑えられたのは、建築会社を選定する時に、入札方式を採用したからです。フル装備のデザイナーズマンションでありながら、大手メーカーの規格品より低価格で建築できています。
ややもすると、建築計画を進めるにあたり途中で使用変更を行い、当初の予算を超えてしまうことが多いのですが、徹底したコスト管理によって、一切の追加原価を発生させませんでした。
デザインだけでなく、コスト管理ができる設計士を採用することがポイントになります。
工期、品質、コスト、テナント付けなど全てにおいて予定通りに進んだ模範的な現場でした。これは依頼者とプロジェクトメンバーのコミュニケーションがうまくいっていたからだと思います。
依頼者の感想
以下にTさんの感想を付け加えておきます。依頼者の視点が見えてきます。
意思決定は大変
今から振り返ると、意思決定をすることは大変なことでした。38歳の時にビルを建てた時は、色々検討もしたのですが、勢いでやったという感じでした。今回は、月に2回銀座の事務所に伺い、打ち合わせを重ねながら慎重に進めました。診断結果の報告を受けたり、企画コンペの提案者の皆さんと会ったりすることは予想よりストレスのたまる仕事でした。
計画を進めるにあたり、意思決定をすることが次から次に出てきます。助言をいただきながらの意思決定ですが、60歳にもなるとエネルギーを消耗するものです。それだけ、今回は真剣にやりました。
沢山のセミナーに参加
話を聞くのは好きなので、これまでも色々なセミナーに参加してきました。セミナーを聞いたからといって、いきなり相談はしません。気になる講師がいたら、何回かセミナーを追って聞いていきます。そうするとその人の話している内容だけでなく、考え方・生き方・人柄も分かってきます。直接講師と話す機会や名刺交換の場も大切です。
セミナーに行って、人の話を聞いて新しい知識を得たり、自分の考えが間違っていないと確認して気持ちがおさまることもあります。今後やること、過去やったことの確認です。セミナーの内容が聞いたことがあるものでも聞きに行きます。必ず何か新しい発見はありますから。福田さんの話しもセミナーや研修会で何度か聞きました。福田さんと出会えたのも何かの縁ですね。
話を聞くのは好きなので、これまでも色々なセミナーに参加してきました。セミナーを聞いたからといって、いきなり相談はしません。気になる講師がいたら、何回かセミナーを追って聞いていきます。そうするとその人の話している内容だけでなく、考え方・生き方・人柄も分かってきます。直接講師と話す機会や名刺交換の場も大切です。
セミナーに行って、人の話を聞いて新しい知識を得たり、自分の考えが間違っていないと確認して気持ちがおさまることもあります。今後やること、過去やったことの確認です。セミナーの内容が聞いたことがあるものでも聞きに行きます。必ず何か新しい発見はありますから。福田さんの話しもセミナーや研修会で何度か聞きました。福田さんと出会えたのも何かの縁ですね。
今回コンサルを受けて
今回は一つ一つ数字を考え、確認・整理・納得してやりました。提案された中で、家族・社員に相談しながらも、自分で一つ一つ決断していきました。今回は改めて勉強しなおそうという気持ちでやりました。
企画の入札と、建築費の入札をやっていただきました。出てきた数字にリアリティがあり、収益、総額、地域貢献、借入金比率、耐用年数など気になる点を一斉に比較できました。個人ではここまで出来ないと思いました。入札で落札できるのは一社です。他は断らなくてはなりません。精神的にも一人ではそんなことは出来ません。
銀行の選定も入札で行ないました。借りる手前、金利の交渉など自分ではなかなか出来ません。コンサルが中に入ってくれると楽です。
また、区画整理組合との窓口や賃貸管理会社との窓口もお願いしました。煩わしいことを代わりにやってくれて助かりました。
マンションの入口ドアのトッテには、ゴルフのドライバーを模したものが付いています。私の趣味を考慮して、付けてくれました。いたるところで細かい部分に気配りをしていただけたと思っています。
引渡しが終わって
地主の社会的責任として、街並みを良くしたり、その通りに合ったものを建てなくてはいけません。単に何かを建てれば良いのではありません。
また地域の人が活用して喜んでくれるものでなくてはなりません。当初の計画案の中に、保育園やコンビニを入れたのはその思いからです。歯科医は地域の方が利用してくれるでしょうし、トランクルームは近隣に少ないので利用者にとっても有意義であると思います。
引渡しが無事に終わってさみしい気分もありますが、とりあえずは一段落です。落ち着いたところで、今年は娘に子供が産まれるので楽しみです。仕事を通じての人との出会いはとてもおもしろいので、仕事は続けていきたいと思います。今回は建築会社さん、設計事務所さん、管理会社さんたちがタッグを組み、いい作品が出来たと思います。
コンサルのポイント その43 本気度で勝負
ものすごいスピードで出世する人が、私が長年勤めていた大手ハウスメーカーにいました。その人は社長に直談判することも厭わず、重大な局面で自分の意見が通らないと「辞めます」と言い切りました。それがポーズでなく本気なので、周りが「ちょっと待て。そこまで考えている案ならやってみろ。」となります。その仕事がうまくいき、出世する。この繰り返しのスパイラルでどんどん出世していきました。
実は上司もお客様も企画提案書の細かい内容までは分からないのです。どこでその企画書を判断しているかというと、担当者の本気度を見て判断しているのです。本気で仕事をしている担当者だと細かい所にも目が配られていて、リアリティのある提案書を作ります。他と少しでも差をつけようとして、様々な工夫をしています。準備はここまでやるかというぐらい周到です。その準備にかけたパワーはしっかりと伝わります。
普通の人と経営者やこのような人の違いは、本気のスイッチが入っているかです。志があるから本気のスイッチが入る。本気のスイッチが入るから成功する。能力というよりは、むしろ本気度です。本気の人はお客様の立場から真剣に考えます。周りの人々もその気持ちに動かされ、協力してくれます。お客様本位の提案の為には周りに妥協せず、わがままでもいいと思います。周りと妥協しながらやっていてもビックにはなれません。
私もサラリーマン時代、上司とケンカして首になったとしても、イザとなれば鞄を持って住宅の営業マンをやればいいと思いながら仕事をしていました。そういう気持ちだったので自由に意見が言えました。経営者も自分がそうだったからか、わがままでも本気のスイッチを入れて仕事をする人が好きなのです。
コンサルタントは、会社のルール、目標、ノルマに縛られないで依頼者の方を向いて自分の信念に基づいた提案ができます。そしてその姿勢を貫けば成功につながります。
コンサルのポイント その44 心を動かすプレゼン
財務分析、市場分析を綿密に行なった自信満々のプレゼン資料を作成し、お客様に発表しました。が、お客様の反応がイマイチな時がありませんか?それは、お客様の心を動かせていないからかもしれません。
コンサルタントは結論を導く為に沢山の情報収集をして、整理し分析します。それが結構大変なので、苦労して集めた情報や分析結果を大量に提案書に載せて、お客様にアピールしてはいないでしょうか?根拠も重要ですが、お客様が知りたいのは結論です。その企画を実行した結果、自分の生活・資産内容がどうなるかが知りたいのです。根拠は添付資料にすれば良いのです。提案書を出して、「ふーん、それで」で終わってしまってはコンサルタントとして失格です。お客様が実行し、成功して初めてコンサルの仕事です。その為にはお客様の心を動かさなくてはいけません。人間は頭で理解するだけでは動きません。感情・意思が伴って、初めて行動に移します。数値だけではなく、お客様の頭の中にイメージが浮かび、行動に移せるようにしてあげるプレゼンが必要です。
実行に移してもらうプレゼンの方法は①ありきたりな単語での説明に止まらず、それを実行するとお客様に実際どのような変化・改善があるかを生活に密着した例であげます。「無借金」→夜ぐっすり眠れる。「安定収入」→値札を見なくて買い物ができる。「贈与」→お嬢さんやお孫さんから喜ばれる。「街づくり」→地域の名士として、周りからの尊敬が得られる。「不動産の組み換え」→老朽化に伴う管理の煩わしさから解放される。などです。
②美しい心に訴えることも必要です。人間には「人の役に立ちたい」という気持ちが実はどんな人にもあります。もともと持っているそれを、こちらがうまく引き出してあげます。例えば、地域貢献、社会貢献、家族・相続人孝行、経済活性化、熱意のある担当者の期待に応える等々を提案の結果や副産物として盛り込んであげると、お客様はそのプランを実行したいという気持ちになります。
③前向きな姿勢をキープします。明るく・楽しく・前向きなイメージを頭の中に作ってもらえるようにプレゼンを工夫することです。同じ事実を伝えるのでも、言葉の使い方一つでイメージが全く違ったものになってきます。否定語・反対語を使わない言い回しにします。声も明るく自信を持ってはっきり話すと、お客様も安心できます。
お客様の感情(心の動き)に配慮したプレゼンを行い、「心を動かす→決断→行動→成功→感謝」の連鎖につなげましょう。
コンサルのポイント その45 成功者と付き合う
あなたの周りにいる人を10人思い浮かべてください。どんな方たちが浮かびましたか?その10人の平均が、今の自分を表していると言われています。自分がこの人は成功者だなと思っている人は何人入っていたでしょうか?
成功者と付き合うと色々な良い面があります。①プラスの波動がもらえます。バイタリティーやプラス思考が伝染します。②いい人脈が広がります。しかし、成功者の人脈を奪おうという考えではうまくいきません。③目標設定が具体的にできます。私はこのことが最も重要だと思います。成功者の話を直接聞き、話すことによって漠然としていた目標が明確になることがあります。目標が定まると、全ての行動が目標につながる行動となるので無駄がなくなります。
このように成功者と付き合うといいことづくめですが、どうしたら成功者と付き合えるのでしょうか。成功者も元は普通の人ですし、自ら飛び込んでいく意欲のある人が好きなので、まずは遠慮なく飛び込みましょう。ただし、基本的なスタンスとして相手に役立とうという意識を持っていなければ、単なる時間泥棒になってしまいます。最初は挨拶だけ。その人のセミナーや会合に何度も通う。仕事を紹介する。一緒に仕事をする。関係を徐々に深めていきます。とにかく一歩を踏み出すことです。
私の場合は不動産アナリスト、資産税専門税理士、上場会社社長、相続専門家、不動産を専門とする人気弁護士、業界紙の編集長などでした。その分野で一番という人に飛び込んでいくのです。
第一人者といえども自分の事を良く知っていてくれて、慕ってくれる人は応援したくなるものです。若い人であれば、熱意だけでも良いでしょう。また自分自身もアピールできる得意分野を持っていなければお付き合いは続かないので、良いプレッシャーにもなります。